2004年6月26日土曜日

日経:国の借金、過去最大の703兆円・国民1人当たり550万円……このまま行けばどうなる!



Nikkei.net の記事 。このまま増え続けていったらどうなるのか? マクロ的には大丈夫だろう。国の借金といっても、国債を買っているのはほとんど日本人であり(外人はこんな馬鹿な物を買わない)、いわば日本人同士の金の貸し借りにしか過ぎない。また国家には徴税権という物があるから、返済不能に陥ることもないだろう。だからマクロ経済的には、このまま増え続けていっても大丈夫である。しかし思わぬ落とし穴がある。日本社会の質的変化が起こるのだ。

つまりこういうことだ。現在日本人一人あたり550万円の国の借金があるということは、国民一人あたり550万円の返済義務と利息の支払い義務があるということ。金を貸しているのは国債を保有している別の日本人だから、全体で見ればニュートラルなのだが、国の借金という物は他の借金と違う一つ重要な特徴がある。国は自己破産できないのである。つまり借金を棒引きにする方法がない(インフレという穏やかな棒引き策では債券価格が下がるので有効ではない)。

国債発行残高が増加して行くにつれて、国家税収のかなりの部分は国債償還と利払いに当てられることになる。やがては国税庁が必死で集めた税金のほとんどがそれに回ることになる。それは国内の資産家に支払われる。国税庁が資産家の借金・利息取り立て集金マシーンと化する。

これもまた経済の論理であり、仕方がないことのように見えるが、ここにもちょっと違う点がある。さっき言った国家は自己破産でいないという点だ。すべての貸し付けにはリスクが伴う。だから金利という物がある。資本主義の原点であり、資本家の存在意義はここ(リスクテイク)にある。ところが国債はリスクがないのだ。

とい言うことで、結局、日本は将来的に資本家とは呼べないような機能を果たさない「資産家」と「利息を払う人達(一般納税者)」という二極分化が進行することになるのである。これでは日本の資本主義は機能しない。


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